友達


ポール グロリアは お互いの両親に付き添われ 大天使達と女神アフロディテの住まう宮殿の中庭に今居る。

ポール グロリア共にやっと10歳になったばかりの天使である。

ポールはくりくりの天然パーマの 男の子。
グロリアはストレートヘアーがとても美しい 女の子。

幼いポールとグロリアは当然のことだが 付き添ってきた両親にとっても初めて宮殿へ足を踏み入れ
そして 目の前には 大天使ガブリエルと女神アフロディテが立っている。
普通の天使達にとって 大天使が目の前に立つこと自体滅多にありえないのに
更に数千年ぶりに誕生した まだ6歳の女神までいるのである。
緊張で体も動かない そして 挨拶の言葉すらでない状態である


大天使ガブリエルは 優しく包み込むような声で
「緊張はしないでください。 さぁ ポールとグロリアはこちらへ」
そう 手招きをした。


ポールとグロリアは 両親に促され 一歩前へ出た。


何が起こるのであろう・・・・
何か悪いことでもしたのだろうか・・・・

悪いことばかり考えてしまうが 目の前の大天使ガブリエルの美しさはさておき
女神アフロディテの光り輝く美しさに視線は釘付けであった。


「ガ・・・・ガブリエル様。 わが子が何か???」
恐る恐る ポールの父親が尋ねた。
すると 大天使ガブリエルは そっと笑い
「いえ 何も。ポールとグロリアには こちらの女神アフロディテ様の遊び相手になっていただこうかと思いまして
お呼びしたのですが どうでしょう?」


アフロディテ様の遊び相手???わが子が????
そんな大切なお役目を・・・・・もし怪我でもさせてしまったら・・・・
もし アフロディテ様のご機嫌を損ねるようなことにでもなったら。
ポールとグロリアの両親は一層緊張した面持ちになった。


そんな天使達の思いなど わかるはずもないアフロディテは
「友達 友達」と 心の中で何度も繰り返して笑みがとまらない。

「アフロディテ様 こちらがポール そしてこちらがグロリアですよ」
と 大天使ガブリエルがポールとグロリアをアフロディテに紹介した。


「初めまして アフロディテ様」
ポールとグロリアが 緊張したまま 二人同時に挨拶したとたん アフロディテが怪訝な顔をした。
ポール グロリア 両親達は 一斉に 血の気が引いた。
「やはり この子達には無理だ」心の中で両親達が思った。
すると アフロディテの口から思わぬ言葉が


「なぜ アフロディテ様なの? お友達だから 様は いらない。」
ちょっと拗ね口調だ。
天使達は 驚いて言葉がでなかった。

「だって お友達でしょ アフロディテって呼んで・・・・だめなの?」
アフロディテは ちょっと不安そうな顔をして大天使ガブリエルの顔を見た。
大天使ガブリエルはまたも優しい笑みをうかべ
「あなたのことを アフロディテ と お呼びできるのは 天界では大天使ミカエル様しかいらっしゃらないのですよ。」
と言った。
しかし アフロディテ様の遊び相手なのだから アフロディテ様には納得がいかないだろう・・・・・
しかし・・・・10歳の天使が女神の名前を呼び捨てではいかないし・・・ 困ったものだ。
大天使ガブリエルは悩んだ。


突然アフロディテが満面の笑顔で
「わかった アフロディテが駄目なら アフロって呼んで」と言った。

そうなのだ この前 地球へ降りた際子供たちが 「アフロ」って私のことを呼んでいた。
ならば ポールとグロリアにも「アフロ」って呼んで欲しい。だって お友達だもん。


「アフロ」

その言葉に 大天使ガブリエルも天使達も一斉にポールの頭を見て笑った。


そう まさにポールの頭はアフロヘアーだったのだ。


この「アフロ」発言により今まで緊張していた糸が切れたように 皆が笑い出した。
もちろん 当のポールは苦笑い・・・・・
アフロディテは何が起こったのかすらわからないが 皆が笑っているので 一緒にニコニコと微笑んでいた。

そして 大天使ガブリエルが
「ア・・・アフロはちょっと 駄目ですね」と笑って言った後
「それでは 女神 と呼んでいただけますか? ポール グロリアよろしいですか?」


「女神・・・・・うん それなら まだいい。 ポール グロリア かくれんぼ しよう」
と上機嫌のアフロディテ。

アフロヘアーを皆に笑われたポールは
「女神様 こんな広いところでは 隠れる場所がありません」と ちょっとむっとして言った。

「女神様じゃない 女神!!」
アフロディテはポールに笑顔で返した。

「女神・・・・・わかりました。 女神 ここでは かくれんぼは無理です」
ポールもちょっと機嫌を直して 言い直した。
「う〜ん・・・・・・」アフロディテは悩んだ・・・・何をして遊ぼう。

「お花で首飾りを作ってさしあげましょう」
切り出したのは グロリアだった。


お花で首飾り♪♪


もう うれしくって 飛び跳ねてポールとグロリアの手をひっぱり 花畑の真ん中へ行ったアフロディテに
グロリアはかわいい花の首飾りを作ってあげていた。




そして 両親達はというと 大天使ガブリエルに
「なぜ わが子なのでしょうか?」
と 質問をした。
すると 大天使ガブリエルは


「阿弥陀くじ」ですよ と 笑った。




阿弥陀くじで決まった アフロディテのお友達。 ポール と グロリア   これは 光栄なのか それともクジ運が悪いのか・・・・







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